高年齢層のアニメのファン層の文化
1970年代初頭まで、テレビアニメは子供番組の一部と認識され、青年であるにもかかわらず、アニメだけを好んで見る趣味者がいることは知られていなかった。1977年8月、映画版『宇宙戦艦ヤマト』公開日に徹夜組が出たことで、アニメを好んで見る趣味者がいることが一般にも知られ始めた。これらの趣味者がいつ頃から存在していたのかについては研究がないが、『ヤマト』のテレビ本放送(1974年)以前にはほとんど存在しなかったと考える研究者が多い。ヤマトのヒットを契機に、翌年から数年で数誌のアニメ雑誌が創刊されると、それら趣味者同士が雑誌の文通コーナーなどを通じて連絡を取り合うようになった。これらの趣味者は当時アニメファンと呼ばれ、また、本人たちも主にそう自称していた。これらの趣味者の多くは、当時、中学生・高校生であった。これ以前にも、子供向けでない劇場版アニメーション映画がヒットしたことはあるが、その世代と1977年以降に存在が知られはじめたアニメファンとは世代的に断絶していると考えられている。これらの趣味者同士の主な連絡・情報収集手段は、1980年代以降、文通の時代から後述する同人誌即売会へと移った。1990年代以降は、インターネットなども連絡・情報収集手段として使われるようになっている。これらアニメ視聴を趣味とするファン、またはファン層は1990年代以降、おたく、特にアニメ好きのおたくは''アニメオタク(アニヲタ)''と呼ばれている。そしてこれらのファンの中から、単にアニメを視聴したりOVAや関連グッズを買うという、趣味として一般的な楽しみ方以外のことに楽しみを見出す者が多く現れた。その代表的なものが「同人誌」文化である。同人誌と呼ばれる、自分の好きなアニメのファンブックを自作するという趣味を持つ者が多く現われ、それらのファンブックはコミックマーケット(いわゆる''コミケ'')などの同人誌即売会イベントや、同人誌の販売を委託する店などで頒布・売買されるようになった。特にコミックマーケットは、内容によって参加者を拒否しないことを理念としたため、1970年代後期以降、アニメ愛好者の参加者が爆発的に増加した。この同人誌分野は、アニメとの繋がりの深い「漫画|マンガ」の同人誌と融合することで、また他の様々なオタク文化を巻き込むことで1990年代後半には爆発的に成長し、日本ではこれらの趣味者が百万人単位で存在するとも言われる。その結果、今日では同人誌流通は個人的趣味・自費出版の範囲を超え、同人誌文化それ自体が半ば一つの商業マーケットとしてみなされ、独立する状況となっている。こうして、本来は「消費」が主体であるべき趣味活動に「生産」の要素が加えられ、趣味本体(アニメ)に付帯する新たなマーケットがアニメファンの手によって創り出された。このように分野を派生させるだけでなく自らも生産者となり、しかも大きなマーケットにまで発展させるというのは、アニメ(及びマンガ)以外の物を趣味とするファンの間ではあまり例の無いことである。同人誌文化について詳細は、同人誌、コミックマーケットの項目を参照のこと。この他、アニメに声で出演する役者、つまり声優(多くの場合は女性声優)のファンも存在する。アニメオタク全体に比べて数は少ないが、熱心なファンが多く、それらのファンのみを対象にしたイベントや声優のコンパクトディスク|CDなどが数多く企画されている。またアニメでのアテレコを担当するのみでなく、歌手としても活動する声優も多い。彼女(彼)らはアイドル声優などとも呼ばれ、大規模なコンサートも度々開かれている。これらの声優の出演するDVDソフトやCDは必ず買う、有料イベントに必ず参加する、という献身的なファンによって活動が支えられている。こうした応援行為は、いわゆる「アイドルのファン」と同じである。こうして現在では声優もアイドル産業の一端を担っている。これらの文化の発展において、人口が多いベビーブーム#第二次ベビーブーム|第二次ベビーブーム世代の存在は大きかったと考えられる。1990年代に活躍した國府田マリ子、椎名へきる、林原めぐみはアイドル声優というジャンルを定着させた声優と言える。
アニメ / 定義 / アニメのジャンル / 日本のアニメと海外アニメーション作品の違い / 「アニメ」という語の成立 / アニメの輸出 / 日本のアニメの特徴 / 歴史 / アニメの現在 / 高年齢層のアニメのファン層の文化 / アニメソング / 公式サイト / パッケージの販売形態 / ブロードバンド配信 / 作品リスト / 脚注 / 関連項目
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