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■ 紙:紙【紙の歴史】

紙の歴史


紙発明以前


紙が発明・普及する前から、人間は世界各地でさまざまなものを文字などを筆記する媒体として利用してきた。例えば、次のものが知られている。

中国での紙の発明と改良


世界最古の紙は現在、中国甘粛省の放馬灘(ほうばたん)から出土したものだとされている。この紙は、前漢時代の地図が書かれており、紀元前2世紀|紀元前150年頃のものだと推定される。史書に残された記録では後漢書で、105年に蔡倫が樹皮やアサのぼろから紙を作り、和帝 (漢)|和帝に献上したという内容の記述がある。こうした記述から、紙の発明者は蔡倫だとされたこともあった。現在では、蔡倫は紙の改良者であるといわれることが多い。紙は軽くかさばらないので、記録用メディア (媒体)|媒体として、従来の木簡や竹簡、絹布にかわって普及した。西晋の時代(3世紀)には、左思の『三都賦』を写すために紙の価格が高騰したという記録が晋書に記載されており、「洛陽の紙価を高からしむ」という故事成語になっている。紙はその後も改良され、唐時代(8世紀)には樹皮を主原料とした紙や、竹や藁を原料として混ぜた紙が作られるようになった。宋や明の時代(10世紀以降)には、出版が盛んとなったため大量の紙が必要となり、竹紙が盛んに作られた。明末の1637年に刊行された『天工開物』には、製紙の項目で、竹紙と樹皮を原料とした紙の製法を取り上げている。紙は、上流階級を中心に広く使われたが、安価なものではなかった。11世紀の詩人であった蘇舜欽は、自分が勤めていた役所で出た反古紙(書き損じの使い物にならない紙)を売って、その代金で宴会を開いたために横領で糾弾されている。反古紙であっても高値で取引されていた様子がうかがえる。また、紙の製法は、朝鮮半島や日本、ベトナムなどには早い時期に伝播した。
  • 朝鮮半島
    : 4世紀から6世紀に伝えられた。この地域に自生するコウゾから良質な紙が作られるようになり、中国へも多くの紙が朝貢された。
  • 日本
    : 朝鮮半島経由で7世紀までに伝えられ、その後は和紙として独自の発展を遂げた。また、『百万塔陀羅尼』は世界最古の印刷物である。

    イスラム世界への伝播


    紙の製法が中国からイスラム世界に伝わった契機は751年のタラス河畔の戦いで、アッバース朝軍に捕えられた唐の捕虜に紙職人がいたためである。サマルカンドでは、757年に製紙工場が造られた。イスラム人は、紙の原料として亜麻を使ったり、サイズ剤として小麦粉から作ったデンプンを使うなどの工夫をした。こうした紙はイスラム世界で広く知られるようになった。その後11世紀までの間に、バグダッド・ダマスカス・カイロ (エジプト)|カイロ・フェズなどイスラム世界の各都市に製紙工場が造られた。紙は、イスラム世界で主要な筆記媒体となり、ヨーロッパへも輸出された。1144年には、当時タイファ(イスラム諸王国)の支配下にあったイベリア半島のハティバに、ヨーロッパ初の製紙工場が造られた。

    ヨーロッパへの伝播


    1276年、イタリアのファブリアーノで、イタリア初の製紙工場が造られた。これ以降14世紀までの間、ヨーロッパでの紙の供給地は、イタリアとなった。1282年には、ファブリアーノで透かしが発明されている。その後、製紙工場はヨーロッパ各地で造られ、アメリカでも1690年にフィラデルフィアに設立されている。

    印刷技術の確立と原料不足


    1450年頃にグーテンベルグにより活版印刷が実用化されると、印刷物が大量に造られるようになり、紙の需要は増大した。一方、こうした需要の増大は、慢性的な紙の原料不足を引き起こし、特に19世紀には大きな問題となった。当時、紙の主原料は亜麻や木綿のぼろであった。1855年頃のアメリカでは、ミイラをエジプトから輸入し、そこからはぎ取った亜麻布を原料として紙を製造していたという。

    製紙工業の確立


    ヨーロッパでは、製紙の機械化がすすめられた。叩解には、伝播した時点から水車を動力源に石臼を動かすスタンパーが使われており、1680年にはより効率的なホランダービーターが発明された。連続型抄紙機は、1798年にはフランスのルイ・ロベールによって小型模型が作られ、1826年にイギリスのドンキンが完成させた。一方、紙の原料不足については、木材を使うことで解決された。1719年にフランスのレオミュールは、スズメバチが木材をかみ砕いて巣を作っている様子を観察した結果として、木材から紙を作ることができるという内容の論文を発表した。1840年、ドイツのケラーは砕木パルプを作るためのグラインダーを考案し、グラインダーは1846年に実用化された。また、1851年には苛性ソーダを用いた化学パルプの製造がイギリスで成功し、1854年に実用化した。当時、木材には針葉樹の丸太が使用された。以降、20世紀にかけて砕木パルプ・化学パルプともに改良が加えられ、木材を原料とした紙が機械で大量生産されるようになった。1940年代以降、クラフトパルプ製造法が確立され、広葉樹を利用できるようになった。また、1960年には木材チップをパルプ化する方法が開発された。

    Quotation:Wikipedia - Article - History  License:GFDL

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    かつて、コンピュータが普及すると情報の記録や伝達はコンピュータに置き換えられるため、紙の消費は減るであろうとする予想があった。こうした紙の消費量を減らすことをペーパーレス化といい、情報伝達の効率が高くなることや、文書を保存・管理するコストが小さくなることが期待されていた。しかし、コンピュータが高度に普及した現代においても、紙の使用量は減少することはなく、むし...
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