洋紙の製造
洋紙の製造では、幅広の紙を機械を使って連続的に抄くため、大量生産が可能となっている。洋紙製造には、次の工程がある。# パルプ化工程
調成工程
抄造工程
塗工工程
仕上・加工工程 パルプ化工程
パルプは、その後の工程と同じ工場の中で製造する場合と、別の工場で製造する場合がある。パルプ製造とその後の工程を両方とも行う工場は、紙パルプ一貫工場と呼ばれる。洋紙の製造過程では多くの場合、木材からパルプを製造する。木材から製造するパルプは、製造方法により機械パルプと化学パルプに大別される。現在、化学パルプでは、クラフトパルプが一般的である。また、古紙から作るパルプも多く用いられており、古紙脱墨パルプと呼ばれる。白い紙を作る場合、パルプ製造過程でパルプを漂白する。漂白したパルプは、晒しパルプと呼ばれる。 調成工程
調成工程では、各種パルプを混合し、叩解し、薬品を添加する。叩解には、かつてはビーター、現在はリファイナーという機械が使われる。調成工程を経たパルプを、紙料という。 抄紙工程
抄紙工程では、抄紙機を使い、紙料を1%程度に水で薄めたものを原料に、次の工程で紙を抄く。# ワイヤーパート
プレスパート
ドライヤーパート ワイヤーパート
紙料を、網(ワイヤー)の上に流して薄く平(たいら)にすることで、湿紙を作る。この工程で水分が重力によって脱落し、紙料の水分は99%(濃度1%)だったのが、湿紙では80%程度になる。 プレスパート
湿紙にフェルト(毛布)を当てて上下から圧縮することで、水分を搾り取る。この工程で、湿紙の水分は55%程度になる。 ドライヤーパート
湿紙を加温して水分を蒸発させ、水分が8%程度になるまで乾燥させる。 塗工工程
塗工紙の場合は、コーターを使い、紙の表面を顔料などで塗工する。コーターには、抄紙機と直結することで抄紙・塗工を1工程とするオンマシン式と、抄紙とは別工程とするオフマシン式がある。 仕上・加工工程
乾燥し、抄紙機またはコーターから出てきた紙は、次の工程で仕上・加工する。# カレンダリング
リールによる巻き取り
ワインダーやカッターで断裁
包装
出荷 カレンダリング
紙の表面に、カレンダーを使って圧力をかけ、光沢や平滑性を高める。ただし、このとき紙の厚さは減少する。カレンダーは、金属ローラーと弾性ローラーの組み合わせ(ニップ)から構成される機械である。コーターと同様に、カレンダーにはオンライン式とオフライン式がある。カレンダーには、スーパーカレンダーとソフトカレンダーの2種類がある。
スーパーカレンダー
: 一般に用いられるカレンダー。ニップ数が大きくなるほど紙の光沢や平滑性は高くなる。通常の印刷用紙では8から12ニップ、アート紙などでは10から12ニップのものが用いられる。
ソフトカレンダー
: 紙の厚さが減少するのをできるだけ避けたい場合に用いる。紙は表面の温度を高くすると光沢が出るため、圧力を小さくする代わりにローラーの表面温度を100度から200度程度にする。ニップ数は、2から4である。 洋紙に添加される薬品
洋紙に添加される主な薬品は次の通り。薬品は、調成工程でパルプに混合されたり、塗工工程で紙の表面に塗工されたりする。
サイズ剤
: 水性インクなどのにじみを防ぐ。かつてはロジンと硫酸バンド(硫酸アルミニウム)が広く使われており、そうした紙は酸性紙という。酸性紙は寿命が50年から100年で、図書館での蔵書の保管などで寿命が短すぎることが大きな問題になった。中性紙は、硫酸バンドの代わりに中性サイズ剤を用いており、寿命は酸性紙の4倍から6倍といわれている。現在、印刷用紙やPPC用紙では中性紙が使われることが多く、酸性紙は新聞や雑誌など長期保存の必要がない用途で使われる。
填料
: 繊維間の隙間を埋め、不透明度・白色度・平滑度・インク吸収性を向上させる。従来からカオリナイト|カオリンなどのクレー(白色粘土)やタルク(滑石)が使われているほか、中性紙では炭酸カルシウムが使われる。填料は、印刷用紙やPPC用紙などには5%から20%程度、辞書などに使う薄葉印刷用紙では25%程度が含まれる。
紙力増強剤
: 紙の表面強度を高くする。デンプンやポリアクリルアミドが使われる。
染料
: 染料は、紙に色を付けたり、白さを高めたりする。白さを高めるには、青色の染料が使われる。また、書籍などでは、文字を読みやすくするため、淡い黄色の染料を使う。蛍光染料は、白さを特に高めるために使う。
塗料
: 美感や平滑さを高める目的で塗料が紙の表面に塗布されることがあり、そうした紙は塗工紙という。塗料は、カオリンや炭酸カルシウムなどの白色顔料と、デンプンなどの接着剤を混合して作る。
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かつて、コンピュータが普及すると情報の記録や伝達はコンピュータに置き換えられるため、紙の消費は減るであろうとする予想があった。こうした紙の消費量を減らすことをペーパーレス化といい、情報伝達の効率が高くなることや、文書を保存・管理するコストが小さくなることが期待されていた。しかし、コンピュータが高度に普及した現代においても、紙の使用量は減少することはなく、むし...