発行形態
同人誌は、印刷方法によって主にコピー誌とオフセット誌に分類される。過去にはこれ以外の形態も見られた。近年ではパーソナルコンピュータの普及に伴い、CD-ROM、DVD-ROM、インターネットからのダウンロードなどで同人作品を頒布するという方式が増えているが、これらは同人「誌」という定義から外れてしまうために、パーソナルコンピュータで閲覧する同人作品のことを同人ソフトとしばしば呼ばれるようになった。以下に、一般的な同人誌について1.で、漫画系同人誌について2.で触れることにする。;コピー誌
乾式コピー機で原稿をコピーして作られた本(レーザープリンタによる印刷の場合もある)。製本は大抵ホッチキスで綴じるだけで、作成が容易である。
一般に装丁はオフセット誌に比べ大幅に劣る。ただし、一部には手作業ならではの、手描きや型押しなどを駆使した凝った装丁もある。また,カラーコピー機(プリンタ)の普及によって,表紙や本文の一部もしくは全ページをフルカラーとすることも可能となっている。短期間で作成できるため、即売会の直前(開催日の数日前)までに作られることが多い。文字通り直前の前夜 - 当日朝に作られることも珍しくない。
オフセット誌
印刷業者に依頼して作成された本。オフセット印刷の項を参照。
最初期のコミックマーケットでは、印刷費用を個人で賄うことが難しかったため、学漫(学校の漫画研究会)以外でこの形式が見られることは少なかった。また、オフセットによる印刷費用の高さが、個人誌ではなく、資金を持ち寄るサークルという形を必要としていた時期があった。表現が媒体によって束縛されることの一例と言える。同人誌の発展により、現在ではある程度以上の部数であれば、非常に安価に作成することが出来る。但し、同人誌専門でない印刷業者に依頼すると高くつくため注意が必要。コミケに1回サークル参加すれば、漏れなく同人誌専門印刷業者の広告資料が手に入り、入稿時の原稿仕様や印刷料金の詳細も知ることが出来る。ただし、利用の際、入稿日と納入日の間が長いほど割引率が高く、契約上の締切日を過ぎると割増料金が掛かる他、その遅延具合(納期までの作業日数の不足)に応じて影響の少ない部分から工程が省略されていく(例えば校正を省略する、インクの乾燥を待たずに製本するなど)ため、締切日以後の入稿では品質に起因するクレームが受け付けられないので留意しておく必要がある。
肉筆回覧誌
コピーなど複製技術のコストが高くついた時代に、各人の原稿を編集担当者の元に送り、それを1冊にまとめたものを、順に(主に郵送で)回覧していくという手法。学校の文集で、原稿用紙をそのまま束ねたものを回覧している状態に相当する。担当者がおらず、自分の原稿を差し込んで送り、1周してきたらそれを抜いて、代わりの原稿を挿入する、ということが行なわれた。途中で原稿が散逸、損傷、または紛失することもあった。
漫画誌では石ノ森章太郎らの『墨汁一滴』が有名(複製本が販売されている)。印刷コストがかからないため、初期からカラー原稿が見られる。
青写真|青焼コピー誌
青焼(湿式コピー)によるコピー誌。かつて日本の学校・企業・団体が湿式コピー機を所有し、安価または無料で使用できることが多かった。そのため、乾式コピー機の使用料が高かった頃には良く使われていた。
乾式コピーでは難しい中間調を出すことができたため、薄墨や定着された鉛筆画による作品も楽しめるメリットもあり、また独特の青い印刷に魅力を感じる向きもあった。そのため乾式コピーが主流を占めるようになった後も、1980年代中盤まではまんが ギャラリー&マーケット|MGM(まんがギャラリー&マーケット)などでは、幾つかの青焼コピー誌を見ることができた。ただし、光によって退色し、約1年程度でインクが飛んでしまうため、美しい青焼コピー誌はほとんど現存しないと思われる
謄写版|ガリ版誌
ガリ版(謄写版)による手刷り同人誌。非常に低コストでそれなりの部数を刷ることができたため大いに使われた。というより、小部数かつ安価な印刷方法といえば、かつてはガリ版がほぼ唯一の手段であった。日本における同人誌の原点と言える。『宇宙塵』もガリ版から始まっている。製版や印刷で手間がかかるため、他の印刷方式が普及して安価になると姿を消した。
アニメ研究会などの文章系サークルによる同人誌で見ることができた。ガリ版に直接漫画を描いたものも見られた。ただし、鉄筆で原版に直接書き入れるので、明らかに絵を表現する目的には不向きである。同じく孔版印刷である理想科学工業#ビジネス向け商品|リソグラフやプリントゴッコでは、一文字ずつガリを切るのではなく、原稿から焼きつけて一気に製版してしまうので、イラストにも適したものに変わっており、コピー誌の表紙印刷などに使われていることもある。
漫画同人誌においてガリ版の使用は難しいものであったが、1970年代後半には各地の学校に謄写原紙自動製版装置が普及し、これを利用したものが作成された。二つのドラムに原稿と専用の原紙(ファックス原紙と呼ばれた)をセットし、原稿の黒色部分に対応する原紙上の位置を放電で穿孔する仕組みとなっていて、紙に書いた絵がそのまま再現される点で画期的であったが、製版に時間がかかる上、印刷はガリ版印刷と同様で画質もプリントゴッコと同程度であったので、乾式コピーの低価格化と共に姿を消した。
CD-ROM、DVD-ROM
テキストデータであればもちろん、PDFやイラストを頒布するにも低コストで便利な手段として、採用が増えつつある。コピー誌感覚で作家自身がCD-R、DVD|DVD±Rを1枚ずつ焼くところから、印刷所を使ってCD-ROM、DVD-ROMとするところまで、枚数に応じて住み分けがされる。
主にカラーイラスト集に使われる。同人誌におけるカラーイラストの制作がほぼデジタルに移行したことと、カラーの印刷費の高さから、比較的低コストで頒布するメディアとして重宝される。また白黒原稿と変わらぬ手間で仕上げたカラーを、本よりも安く作って高く売ることが可能である。もちろん、ゲームや資料集などにも使われているが、最近ではMacromedia Flash|Flashを用いた動画も増えている。同人ソフトの項も参照。
PDF
オンラインでのドキュメント配布に非常に適している。縦書きも使える。
イラストをデジタルで制作している場合には極めて便利で、なによりも在庫を持つ必要がない。オンラインショップや@payなどを使ってダウンロード販売も可能。反面、PDFデータはコピーが容易であるため、今後の普及には疑問もある。
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佐々木貴賀(投げる同人作家という愛称|異名を持つ元プロ野球投手。るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-|るろうに剣心などの同人誌を書いた経験がある。) 山口貴士(コミックマーケットのスタッフとしても関わった弁護士);図書館 海津市立海津図書館 - 文学同人誌を収集する施設「日本現代紙碑文学館」を設けている図書館。外部リンク 文學界(文学系同人雑誌を論評する...