墨
墨(すみ)は、アモルファス炭素の分散したコロイド|コロイド溶液のこと。そしてランプブラック|油煙や松煙をゼラチン|膠で練り固めたもの、これを水とともに硯ですりおろしてつくった黒色の液体をいう。また、すり下ろして作った黒色の液は墨汁(ぼくじゅう)とも呼ばれるが、市販されている「墨汁」は工業的に作られた別物の場合も多い。書画を書くのに用いる。製造後間もない墨は、水分の含有量が多く、膠の成分が強く出るために粘度が強く、紙に書いた場合、芯(筆で書かれた部分)と滲みの区別がわかりにくい。年月が経って乾燥した墨は、膠の分解もすすむためにのびが良く、墨色に立体感が出て、筆の運びにしたがって芯や滲みなど墨色の変化が美しく出るとされる。こうした墨は、「古墨」と呼んで珍重される。墨が緻密に作られていれば、それだけ乾燥するまで長い年月がかかる。
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古代中国の甲骨文に墨書や朱墨のあとが発見されており、殷の時代に発達した亀甲獣骨文字|甲骨文字とときを同じくして使用されたと考えられる。文字以外には入れ墨|文身にも使用され、これはのちに刑罰の一方法となった。墨は漢代には丸めた形に作られ、墨丸という。現存する日本最古の墨書は、三重県嬉野町 (三重県)|嬉野町(現在は松阪市)貝蔵遺跡で出土した2世紀末の土器に記さ...