墨の種類
墨の主な原料である煤の違いによって、松煙墨と油煙墨に分かれる。朱墨、青墨、紫墨、茶墨などの表現があるが、朱墨以外は基本的に黒色で、色調の傾向を示す言葉である。朱墨の原料は、鉱産物として天然に採掘される辰砂である。
松煙墨(青墨)
松煙は燃焼温度にむらがあり、粒子の大きさが均一でないことから、重厚な黒味から青灰色に至るまで墨色に幅がある。青みがかった色のものは青墨(せいぼく)と呼ばれる。製法は、マツ|松の木片を燃焼させて煤を採取する。青墨には、煤自体が青く発色するもの以外に、アイ (植物)|藍などで着色するものもある。
油煙墨
ランプブラック|油煙は、煤の粒子が細かく均一で、黒色に光沢と深味がある。製法は土器に、油を入れ灯芯をともし、土器の蓋についた煤を集めて作る。油は、アブラナ|菜種が最適とされるが、他にゴマ油や大豆油、ツバキ、キリなどがある。
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古代中国の甲骨文に墨書や朱墨のあとが発見されており、殷の時代に発達した亀甲獣骨文字|甲骨文字とときを同じくして使用されたと考えられる。文字以外には入れ墨|文身にも使用され、これはのちに刑罰の一方法となった。墨は漢代には丸めた形に作られ、墨丸という。現存する日本最古の墨書は、三重県嬉野町 (三重県)|嬉野町(現在は松阪市)貝蔵遺跡で出土した2世紀末の土器に記さ...